交通事故が起こったときに、示談金という言葉を耳にしたことがあるのではないでしょうか。金額でもめることのないように、また被害者が適切な治療を受けられるように、きちんと処理したいものです。
もし自分が被害者になってしまったら、どのように計算したらよいのでしょうか。
いざという時のために相場を知っておきましょう。
示談金には何が含まれる？
示談金とは、被害者が受けた実質的、精神的なすべての損害を金額に換算した合計です。事故の大きさ、物損事故か人身事故か、被害者のケガの程度によって金額が異なり、相場がなかなか分かりづらいものです。
示談金に含まれるモノ
被害者が実際に支払わなければいけない財産的な損害を、損害賠償金と呼びます。被害者の精神的苦痛に対して支払われるものを、慰謝料と呼びます。示談金にはこの二つが含まれます。
気を付けたい点
示談をきちんと行わないなら、被害者が請求できる、損害賠償請求権が失われてしまいます。交通事故で色々な損失を負ってしまった場合、金額に換算して費用を請求できなくなったら、大変です。病院で今後かかる費用や、後で分かった車の修理費などが支払われなくなるかもしれません。
仕事が忙しく病院に行く時間がない、とか請求の仕方が分からないといった理由で、示談交渉を後回しにしないようにする必要があります。
様々なモノが含まれる損害賠償金
損害賠償金には、積極損害と消極損害があります。
積極損害とは
交通事故により、実際に発生したお金がかかる損害を指します。例えば、ケガをして病院へ入院したり、通院しなければいけなかった場合の治療費が含まれます。病院に通うための交通費なども積極損害に入ります。
物損事故のみで人がケガをしなかった場合は、どんなものが積極損害になるでしょうか。車やバイクといった乗っていたモノを修理するための費用、レッカー代や代車を借りる費用などが含まれます。壊してしまった電柱やフェンスなどの交換費用も入ります。
消極損害とは
交通事故に遭わなければ得られたモノが得られなくなったときの損害を指します。サラリーマンが仕事を休んでしまったら、その期間の給与や報酬が代表的なものといえます。
これらは基本的には保険の基準、交通事故の程度から算出した等級などにに照らし合わせて算出されます。認定された等級によって金額幅が大きいので、示談金の相場はなかなか算定しにくいのです。
示談金の相場の手がかり
交通事故の示談金には、明確な相場といったものがない場合が多いです。交通事故の内容や怪我の具合によって算出方法が大きく異なるため、相場としてこのくらいの金額、といった基準が出しにくいためです。
相場を知るために
交通事故に遭うのが初めてだ、という場合は相場が分からないため、困ってしまうことがあります。
弁護士や保険会社といった示談交渉のプロが執筆しているホームページなどから、ある程度の情報を知ることができます。交通事故についてのコラムを読んだり、実際の判例について記載されているページを探します。
自分の周りの身近な人が交通事故に遭ったことがあれば、体験を聞くこともできます。地域によっての差もあるので、近くの人の体験も役立つことでしょう。
慰謝料はもちろん、損害賠償金もその時々で変わるので、常に最新の情報を取り入れるようにしたいものです。
まとめ
示談金には、あらゆる分野の損害賠償金が含まれることがわかりました。また、明確な示談金の相場というものがないため、提示されている金額が果たして正当なものかがわかりにくく、交渉を難しくしています。事故処理を多く経験している弁護士など、相場についての知識を持っている人に相談してみるのも一つの手と言えるでしょう。
